小説『グレート・ギャツビー』で一世を風靡し、アメリカンドリームの体現者として知られるスコット・フィッツジェラルド。彼の人生の成功の裏には運命的な出会いの妻・ゼルダの存在があった。1920年代、時代の寵児となった二人の悲劇の物語を歌、ダンス、タップで魅せる大人のジャズ・ミュージカル『スコット&ゼルダ』を体当たりで演じるのは、本作が主演2作目となるウエンツ瑛士と抜群の歌謡力で舞台出演が続く濱田めぐみ。
10月、日本初演となる本作の製作発表記者会見が8月27日(木)都内にて行われ、主演のウエンツ瑛士はじめ、濱田めぐみ、中河内雅貴、山西惇、演出の鈴木裕美が登壇した。
製作発表が始まると、中河内雅貴とダンサーたちが、劇中曲『 唸るほどの金 Money to Burn 』から華麗なダンスを披露し、スコットとゼルダの二人が絶頂に登りつめた1920年代を表現。曲後半には役柄のスコットとゼルダになりきったウエンツ瑛士と濱田めぐみが登場し、歌を披露。続いて、二人が惹かれあう『 すべてをくれる人 You Do Everything For Me 』を歌い上げた。
今回、日本版初演となる本作の演出を手掛ける鈴木裕美は「日本初演のため、まだ準備が追いついていないところもあるが、頼りがいのある俳優陣なので、作り上げていくのが楽しみ。お芝居とSHOWが行ったり来たり、音楽に乗せてスコットとゼルダの生き方をみせるミュージカル。シンプルでスタイリッシュ、タイトな少数精鋭の舞台を目指す」と意欲的に話した。
主演のスコット・フィッツジェラルドを演じるウエンツ瑛士は「頼りがいのあるウエンツです。あ、俺のことじゃない?」と笑いを誘うつもりが、水を打ったように静かな会場に焦る姿に会場から微笑ましい笑いが起こった。「まだ2作目だが、こうやってチャンスをいただけて嬉しい。自分よりダンス、歌、芝居の上手い人は沢山いますが、自分の中にきっといるであろうフィッツジェラルドを捕まえて、このフィッツジェラルドの魂をみてもらいたい」と話した。
スコットの妻ゼルダを演じる濱田めぐみは「ゼルダは実在の人物なので、ハードルの高い役ですが、素敵なゼルダになるよう頑張りたい。今回、ウエンツ君と約20年ぶりの共演となりますが、彼が小さい頃から知っているので、夫婦役ができるというのは、不思議な気持ちだったし、これが舞台の醍醐味だなーと思いました」と挨拶。
幼少時で実は濱田のことを覚えていなかったウエンツは「だから、はじめましてと言ったら不思議そうにされたんです」と白状した。
中河内雅貴が演じるのは、1920年代を象徴する存在になるよう、日本版で新たに作られたオリジナル役ということで「1920年代の風景、香りをしっかりと表現して、その世界へと誘っていきたい。そのためにも鈴木裕美さんの演出にしごかれながら、食らいついていきたい」とやる気をアピールした。
二人の数奇な運命を本にするために取材を重ねる作家ベン役を演じる山西惇は「ベンは二人の話を聞くうちに、作家としての生き方を取り戻していくのだと思うんです。普段は地味な演劇の世界にいますが、今回共演の皆さんとはほとんどはじめてで、先程のパフォーマンスの2曲を観ただけで、華やかさに圧倒されましたが、なんとかついていきたい。演出の鈴木裕美さんにミュージカルの面白さ、楽しさ、難しさを教えていただこうと思っています」と話した。演出の鈴木からも演技力、芝居の質の高さを期待されている。
製作発表後に行われた囲み取材ではウエンツ瑛士と濱田めぐみが本作についてさらに深く答えてくれた。
ウエンツ瑛士は「今回の楽曲のほとんどすべてを二人で歌う。僕はタップのシーンもあると聞いています。去年、悔しい思いをしたので、それから奮起して1年間ジャズダンスのレッスンをしてきました。心の模様とともにダンスもみせることが出来たら嬉しい。僕自身今はまだ自信無いですが、フィッツジェラルド自身は自信の塊のような人ですから、本番ではもっともっとフィッツジェラルドになっていると思う。僕は役柄に影響される方なので、すでにその影響はでてきていて、フィッツジェラルドのように乱れてきています。これから公演が終わるまでの間にもテレビ出演などバラエティ番組にでることもあります。そこでとんちんかんなことを話していたら“こいつ、そうとうやってるな、きてるな!”と思ってください」と本作への強い思いを話した。
そして相手役の濱田めぐみについて「プロとして、歌も踊りも素晴らしい人。スコットとゼルダの二人だけにしか見られなかった世界を濱田さんと共有できるのが嬉しい」とベタ褒め。
濱田めぐみも「ウエンツくんとは感じ方、考え方が似ていると思う。(幼少時の覚えていないことについて)当時、濱田さんが一番遊んでくれるって言っていたのに、そういうやりとりを考えると、女ったらしなんでしょうね」と笑いながらも、舞台への取り組み方や役への入り込むタイミングなど共感できると、夫婦役をとても喜び、舞台の意気込みを「この華やかな舞台を是非観に来てください」と話した。
ミュージカル『スコット&ゼルダ』
http://hpot.jp/stage/sz
作曲:フランク・ワイルドホーン(『デスノート』、『ジキル&ハイド』、『アリス・イン・ワンダーランド』)
演出:鈴木裕美(『サンセット大通り』、『アリス・イン・ワンダーランド』)
出演:ウエンツ瑛士/濱田めぐみ/中河内雅貴/山西惇ほか
東京公演
日程:2015年10月17日(土)~11月1日(日)
場所:東京・天王洲 銀河劇場
大阪公演
日程:2015年11月7日(土)・8日(日)
場所:大阪・新歌舞伎座