THE RAMPAGEのパフォーマー・陣による1人舞台「Slip Skid」が、3月2日より東京・中目黒キンケロシアターで上演。それに先がけ、前日に公開ゲネプロと囲み取材が行われた。
陣(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)は、親友が事故に遭った次の⽇から、奇妙な出来事が襲いかかる主⼈公・ケンを演じる。
いつもと同じ電⾞に乗ったはずだが、何故か、逆⽅向へと進み出す。停まる駅、停まる駅、どれもが⾒覚えのあるいつかの光景。そして、ここには居ないはずの親友の姿が。
忘れた夢、知らなかった真実、消えない後悔。
⾒ないふりして⽣きてきた僕の本性が、溢れだす。
奇妙な電⾞は、未来を忘れた“僕”を乗せて、記憶の断⽚を遡り始める・・・。
囲み取材に出席した陣は、上演に至った経緯について「昨年、舞台をやってみないかとお声がけいたきまして、その時に誰かと一緒にやるという選択肢もあったのですが、こういう大きな挑戦は何度もできないと思ったし、表現者として自分1人で何かを作るということに挑戦してみたかったんです」と明かす。
普段は16人でグループ活動している陣。稽古を通して孤独な作業が続くなかでの原動力を尋ねられると「意外と1人好きやなって思っちゃったんですよ(笑)。でも他の現場でメンバーに会うと自然と鼓舞されるというか。THE RAMPAGEは頑張ってないメンバーはいないんで。頑張るって当たり前やなとか、そういうことに気づかせてくれるのはいつもメンバーやったり」とあらためてメンバーの存在の大きさを実感しつつ、「今回は僕がせりふや動きを覚えないと進まないので、1人であることが1番の原動力だったので、(1人でいることは)あまり苦ではなかったです」と語った。
それでも、一人ですべてを表現することに「話をする対象者がいないので、イメージをすることが大変でした。劇中に流れる他の声も全部自分で収録していますが、すごく勉強になりましたし、良い経験になりました」と充実感を滲ませる。
THE RAMPAGEのメンバーの反応は「1人舞台というものを、たぶん全員が観たことないとお思うので、どれくらいしんどいことなのか、大変さが計り知れないみたいに言っていて。『陣さん凄いですね』とか『せりふ量ヤバくないですか』と言ってもらって。僕も『大変やねん』みたいな・・・」と照れ笑いを浮かべる陣。
「でも同じように、(長谷川)慎とかも主演やったりとか、少人数で舞台に出るメンバーもいるので、その辛さもわかってくれて、共有してくれましたね」と続けた。
この日、メンバーたちもゲネプロを観劇したそうで、終演後に会ったときに「『演じてる感じせんくてすごかったです』とか。あと、やましょう(山本彰吾)が『映画見てるみたいでした』って言ってくれて」とニッコリ。「僕も、演じるというよりも、楽屋からふっと出てきてそのまま喋りだす・・・ということを意識していたし、演出の小沢(道成)さんからも“そのくらいのテンションで”と言ってもらっていたので、その言葉がすごく嬉しかったです」と、メンバーからも太鼓判を押され、満面の笑みを浮かべる。
また、本作の見どころについて「『Slip Skid』は主人公のケンが自分の人生と向き合う物語で、ファンタジーとリアリティーが織り混ざったような舞台。人間、生きていればそういう瞬間ってあると思うんです。葛藤したり、悩んだり、目標ができて挫折したりとか。それに蓋をしながら生きていくことも多いと思いますが、たまにはその蓋を開けて、自分と向き合うことで、またひとつ成長できるじゃないかなって思っているんです。観に来ていただいた方に感じてもらって、この作品が自分と対話するきっかけになればいいなと」と語った。
最後は「イメージすることが、凄く大事になってくる。ケンって常にアタフタしていて、何かを気にしたりとか考えたりとか、そういう描写が多いんです。7公演というなかで、最初は緊張感があるけれど、慣れてくるとケンらしさというのがなくなってしまうので、1公演1公演、集中しながら取り組んでいきたいです」と意気込んだ陣。
そして、「今、この世の中はすぐに答えを求めたがったりしますが、観てくださった皆さんが感じたものが正解であって、『こうあるべきだ』とか考えず、そのまま受け止めてほしい。ケンがもどかしくてイライラしたならそれはそれでいいし、共感してもらうのもいい。自由にこの舞台を楽しんで帰っていただけたら嬉しく思います」とメッセージを送った。
ぜひ、陣が全身全霊で臨む姿を一瞬たりとも見逃さないでほしい。
「Slip Skid」
<期間> 2023年3月2日(木)~3月5日(日)
<劇場> 中目黒キンケロシアター
<脚本/演出> 小沢道成
<キャスト> 陣 (THE RAMPAGE)
<チケット料金> S 席:8,800円(全席指定/税込) ※未就学児童入場不可
<公演に関するお問合せ> S-SIZE slipskid@s-size.co.jp
<公式サイト> https://slipskidstage.com/
<主催> LDH JAPAN