新橋演舞場にて、1月3日(金)より、十三代目市川團十郎白猿が出演する初春大歌舞伎『双仮名手本三升 裏表忠臣蔵』が開幕。松竹創業百三十周年、新橋演舞場百周年の関東を飾るにふさわしい「忠臣蔵」の決定版ともいうべき公演の幕が開いた。(舞台写真は夜の部より)
新橋演舞場の1月公演にてこれまで数多くの舞台を上演してきた十三代目市川團十郎白猿が、大星由良之助を初役で勤める他、早野勘平、斧定九郎、高師直の4役を早替りで演じ、宙乗りも披露する。
さらに市川ぼたんと市川新之助も出演。美しき夢の世界を見せてくれる。
およそ300年にわたり愛され続けてきた「忠臣蔵」。なかでも、七代目市川團十郎が初演した『裏表忠臣蔵』は、通常上演される『仮名手本忠臣蔵』を“表”とし、創作場面を“裏”として加えて上演し大当たりした作品。
今回は、その七代目團十郎の精神を受け継ぎ、現代ならではの視点を織り込み、創りあげる部分を“裏”として、新たな形で忠臣蔵の世界を描き出した。もちろん名場面が数珠つなぎ。名セリフに早替り、圧倒的な華やかさに嬉しい演出をたっぷり織り込んで、本公演は1月26日(日)まで、新橋演舞場にて上演。
★市川團十郎 コメント★
新年おめでとうございます。
皆で一丸となり稽古を重ね、本日無事「双仮名手本三升與去忠臣蔵』の初日を迎えることができました。
新橋演舞場のお正月公演への出演は本年で15回目となりますが、毎回が「新たな挑戦」となっております。
今回は古典歌舞伎の名作「仮名手本忠臣蔵』を「表」、現代に合わせた形の新たな場面を「裏」としてつけ、 「裏表忠臣蔵」を初演した七代目團十郎の精神を受け継ぎながら、登場人物の物語がよりはっきりと描き出される、現代に合わせた「裏表忠臣蔵」となるよう稽古を重ねてきました。通常では大変上演時間が長い「忠臣蔵」ですが、今回は、物語はしっかりと描きながらも上演時間は短くテンボを上げ、「忠臣蔵」をご存じの方も、まだご覧になったことがない方も、皆様にお楽しみいただける作品に作り上げました。
この機会にぜひ新橋演舞場にて「忠臣蔵」の世界に触れていただき、物語の根底に流れる日本人が大切にしてきた心を感じていただき、お楽しみいただければ幸いです。
本年は若手も多く出演しており、様々な出演者により生まれる舞台上のエネルギーもご堪能いただければ と思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
【これより昼公演舞台写真】
初春大歌舞伎
双仮名手本三升 (ならべがきまねてみます)
裏表忠臣蔵
市川團十郎四役早替り相勤め申し候
【昼の部】
第一幕第一場 鶴ヶ岡八幡社頭の場(大序)
第二場 足利館殿中松の間の場(三段目)
第三場 扇ヶ谷塩冶館広間の場(四段目)
第四場 同 表門の場(四段目)
第二幕第一場 山崎与市兵衛内の場(五・六段目)
第二場 同 街道の場(五・六段目)
第三場 元の与市兵衛内の場(五・六段目)
双仮名手本三升 (ならべがきまねてみます)
裏表忠臣蔵
市川團十郎四役早替り宙乗り相勤め申し候
第三幕第一場 祗園一力茶屋の場(七段目)
第二場 東海道金谷宿本陣の場
第四幕第一場 稲瀬川川端の場
第二場 高家奥庭泉水の場(十一段目)
第三場 「二筋旅路の市川」
第四場 花水橋の場(十一段目)
2025年1月3日(金)~26日(日)千穐楽 新橋演舞場
公式HP:https://www.kabuki-bito.jp/