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市村正親×大竹しのぶのラストステージ! ミュージカル『スウィーニー・トッド』囲み取材&公開舞台稽古

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ブロードウェイミュージカルの名作『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』が4月14日に東京・東京芸術劇場 プレイハウスにて開幕した。前日13日には、囲み取材と公開舞台稽古が行われた。2度のトニー賞やドラマ・デスク賞などを受賞している本作は、これまで2007年、2011年、2013年と3回、市村正親と大竹しのぶがダブル主演を務めてきたが、4回目となる今作でこのコンビ上演がファイナルとなる。

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舞台稽古の前に行われた囲み取材には、市村と大竹のほか、共演の武田真治と演出・振付を務める宮本亜門が登壇。宮本が「2007年の初演からやってきて、ここまで深く面白くなるとは思わなかった。ジョニー・デップの映画よりも何百倍おもしろい」と自信を覗かせると、市村は「映画は期待していたけど、つまんなかったね。映像だから切るシーンなんかはリアルだったけど」と言って会場を沸かし、「歌は僕たちの方が迫力がある!」と胸を張った。

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市村の毒舌トークに武田が「映画は2時間くらいにまとめるために、割愛されている場面もある。映画はゴシックホラーに徹底していたが、こちらはブラックコメディーの要素もあるので、それが深みになっているんだと思います」とフォローする場面も。
大竹も「幕が開いて音楽が流れただけでワクワクします。4演目ということでドキドキ感とワクワク感が増しています」とニッコリ。

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大竹演じるミセス・ラヴェットに憧れる少年トバイアス役の武田は、「僕まだこの役をやっていいんですかね?」と宮本に相談したという。「43歳で子役を演じています(笑)。そういう生き様もあるぞというところを見ていただければ。怖いものを見たい方はぜひ劇場へ足を運んでください」と笑いを誘っていた。

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昨年、右膝半月板を損傷した市村は、「手術から半年経ちましたから平気ですよ」と体調は万全の様子。最後に「スウィーニー・トッド、ぜひ見に来て“トッド”」とギャグを飛ばし、大竹も「終わるまで目が離せない。もう一回みたいと思うので、見に来て“トッド”」と合わせてPR。宮本は、「本当に怖い物語です。現代の病的な事件が起きることと重なって、もっとリアルになっている。単に恐怖をかもし出すだけではなくて、“あぁ、人間てステキだ!”と気持ちを開放して劇場を出ることができます」と力を込めてアピールした。

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【公開舞台稽古】
薄暗い裏通りに張りめぐされた冷たい鉄パイプ・・・。民衆の「スウィーニー・トッドのバラード」を歌に、会場にもピーンと緊張感が走る。すると巨大な焼却炉の上にスウィーニー・トッドが!「燃やせ復讐の火を」歌う市村からは、復讐に燃える男の決意と哀愁がにじみ出ている。これから始まる悲劇の結末を最後まで覚悟して見るようにと観客に伝えているようだ。

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トッドの協力者であり愛人となるミセス・ラヴェットを演じる大竹しのぶ。ミュージカルからストレートプレイをこなす演技力の高さで観客を物語のなかにグイグイ引き込んでいいく。時に恐怖に、時にコミカルに。

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ミセス・ラヴェットを慕う少年ドバイアス。本能的に彼女に危機がもたらされることを感じていた彼の純真無垢な姿が救いでもあり、さらに悲しみを誘うことも。

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ダービン判事に幽閉されたトッドの娘ジョアンナを、アンソニーは助け出すことが出来るのか。二人のデュエットは美しく切ない。

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さらに、時折響く「キーン」という耳を劈く剃刀の切裂き音が観客の恐怖を誘う。理不尽な理由で幽閉され脱獄してきたドットは、復讐を期して理髪店を新たに開き、自分の過去を知る人間たちのヒゲを剃る振りをして次々に殺していく。一瞬たりとも緊張が抜けないが、ドットとラヴェットの軽快な掛け合いは本作の見どころの一つだ。
今作は、「3Dから4Dへ。体感できる舞台です」と宮本が述べたように、会場全体を使って恐怖を被せてくる演出にドキドキ、ワクワクが止まらない。恐怖の世界観を根底に、人間性がいっぱい詰まっているエネルギーにあふれた舞台になっている。

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ブロードウェイミュージカル『スウィーニー・トッド ~フリート街の悪魔の理髪師~』
【ストーリー】
舞台は18世紀末のロンドン。フリート街で理髪店を営むベンジャミン・パーカーは、その妻を横恋慕する悪魔判事ターピンによって無実の罪で流刑される。15年後、“スウィーニー・トッド”と名を変えて待ちに戻った彼は、大家のミセス・ラヴェットから、妻の自殺と娘ジョアンナがターピンに養われていることを聞かされる。ミセス・ラヴェットのロンドン一まずいパイ店の2階に再び理髪店を構え、商売道具のカミソリを手にスウィーニー・トッドの復讐劇が始まる!

演出・振付:宮本亜門
出演:市村正親、大竹しのぶ、芳本美代子、田代万里生、唯月ふうか、安崎求、斉藤暁、武田真治 ほか

<東京公演>
会場:東京芸術劇場 プレイハウス(東京・池袋)
期間:2016年4月14日(木)~5月8日(日)
料金:S席13,000円、サイドシート8,500円(全席指定・税込)
上演時間:約2時間45分
主催・企画制作:フジテレビジョン、ホリプロ

<大阪公演>
会場:シアターBRAVA!
期間:2016年5月13日(金)~15日(日)
主催:梅田芸術劇場

<名古屋公演>
会場:愛知県芸術劇場 大ホール
期間:2016年5月20日(金)~22日(日)
主催:中京テレビ/キョードー東海
後援:@FM(FM AICHI)

公式サイト:http://hpot.jp/stage/st2016