これまでに6作品の歴史物・時代物の舞台を生み出しきた【る・ひまわり×明治座】が、この夏、世界に向けて新たな創作の扉を開く。
それは日本人なら誰もが知る“おとぎ話”から生まれた愛と冒険のミュージカル『TARO URASHIMA』。
竜宮城に玉手箱…不思議がたくさん込められた物語の世界に秘められた謎を解き明かす?!
世界的に大ブームとなっているファンタジーをテーマに、言葉の壁をたやすく乗り越えることができるミュージカルというスタイルで、日本から発信するエンターテイメントを生み出そうという意欲作だ。
脚本は舞台に映画にドラマにと大活躍の池田鉄洋。演出は『シャーロック ホームズ2~ブラッディ・ゲーム~』や『晦日明治座納め・る祭』でもお馴染みの板垣恭一。
辻本祐樹 木村了 原田優一
Astageは、この『TARO URASHIMA』で浦島太郎を演じる木村了と竜王の長男・深海王子役の原田優一、深海王子の右腕・ダイオウグソクムシ参謀を演じる辻本祐樹にインタビューした。
る・ひまわり製作の舞台に出演したことがある原田優一、辻本祐樹と、今回が初めての木村了。「どんな舞台になるのか?」知っていること、想像すること…すべてを教えてもらった。
―『TARO URASHIMA』という企画を聞かれた時、そして脚本をご覧になっての感想を教えて頂けますか?
原田:最初は「浦島太郎」「ミュージカル」と聞いて「海の生き物が出てきて歌うのかな?」(爆笑)とリトルマーメイド的な想像をしていたのですが、脚本を見ると一歩踏み込んでいて良い方に想像できる感じの人間ドラマであり、海ドラマの作品。ちょっとひねくれたところもあって「面白いなぁ」「板垣さんの演出らしいなぁ」と思いました。
辻本:「浦島太郎のお話だ」と聞いた時には、だいたい想像がつきますよね。でも「る・ひまわりさんの舞台だ」と聞いて「想像するのはやめよう!」と思いました。(笑) 「想像したところで、ひねりにひねってあるだろう」と思って脚本を読むと、まさしくそうなっていました。「稽古に入ったら、どうなっていくのか?」と台本を読んでワクワクしました。でも「海の生物を演じろ」と言われてもねぇ…。(爆笑)
原田:結局は俳優、その人になるんだろうなぁ。
辻本:皆の個性のぶつかり合いになるのでしょうね。る・ひまわりさんの舞台は毎回、そんな感じですよね。
木村:僕はる・ひまわりさんの舞台に出演するは初めてです。「浦島太郎」と言われた時は「そうか!」と思いながら「その発想はどこからきたのだろう」と思いました。脚本を読んでみると、イケテツ(池田鉄洋)さんワールドが存分に繰り広げられていました。演出の板垣さんとは初めてご一緒させて頂くので、この脚本をどう作っていかれるのか、すごく楽しみにしています。そして「(キャストが)こんなにたくさん出るんだ」とびっくりしました。(笑) とても信頼している大堀こういちさんも出演されるので、そこも楽しみです。あとは現場に入って、みなさんとセッションしていきたいなと思っています。
―ご自分の役どころについては?
辻本:役はダイオウグソクムシ参謀という長い名前で「ムシ?」と思いきや、深海の生物です。僕はもともと、この生物の大ファンなんです。(一同びっくり!)ダイオウグソクムシは一時期流行ったことがあるんですよ。人気があって、ガチャガチャなどもあるし、ぬいぐるみがバカ売れしたんですよ。僕は虫は嫌いなんですが、ダイビングもするので深海の生物は大好き!ダイオウグソクムシは憧れの生物なんです。(爆笑)
原田:そんな人はなかなかいないでしょう。(笑)
辻本:憧れのダイオウグソクムシを演じさせて頂けるのは、有難いです! でもダイオウグソクムシは裏返して見ては絶対にいけない生物です。お腹の側はかなり…。(笑) 今回の舞台でも「ダイオウグソクムシはひっくり返してはいけないぞ」という、まさしくそういう役柄になっているので、そこをしっかり楽しみたいと思います。
―ご自身に照らして「裏返して見てはいけないよ」という個性の役づくりはいかがですか?
辻本:深海の生物は深海に住んでいても、ちょっと光が見えると…チャンスがあるとつかみたくなるかもしれない。僕もオーディションなどでも、自分のものを見せることができる時には思いきり見せたいと思います。ダイオウグソクムシ参謀という役はそこを思い切り出せるので、そのあたりを上手くできたらと。人が持つ野望や願望を表現できる役なのでチャレンジしたいと思います。
―原田さんの役どころは?
原田:深海王子という役です。「ついに王子役が来た!」と思いました。(笑) 実はとんでもない王子で、クーデターを起こして深海に幽閉されている王子なんです。父である竜王役の坂元健児さんとのからみが多く、笑いもとりにいくので、僕も裏表じゃないですが、そんな感じや人間味も出せるといいなぁと思っています。ただの王子ではございません!(笑)
―ご自身はクーデターを起こすような反骨精神はお持ちですか?
原田:メチャあるんですよ。(笑) 内のメラメラがすごくあります。
―では役づくりは出来ている?
原田:少々出来ていると思います。(笑)
辻本:「待ってました~!」ですね。(笑)
―木村さんは浦島太郎さんですね。
木村:万人が知っている浦島太郎さんですが、とても運の悪い青年なんです。でもどんな時でもポジティブにとらえるので、見ている方もスカッとできるのではないかと思います。太郎を見て、社会にもまれているOLさんやくじけそうだと思っている方も…
辻本:「こんなにツイてないのに」という太郎を見て「まだ、私、頑張れる!」と
木村:そう思って頂いて、スカッとして頂けたらいいですね。(笑) 浦島太郎はまわりにふりまわされてばかりなので、まわりがしっかりして頂けたらと。(笑) 僕はそこにのっかっていくという作りで、何かが生まれてくるかなと楽しみです。(笑) それにしても、おふたりはもうしっかり脚本を読みこんでおられますね。(笑)
原田:しっかり読んでおかないと、今回のキャストは暴走しそうな人ばかりですよ!どうやってまとめるんだろうかと…。(爆笑)
辻本:「これはやってくれそうだ」 というキャストが何人もいらして。
―では、木村さんは座長として大変ですね?
木村:座長として見守りますよ。(爆笑) 行き過ぎちゃった時は静観して、自分で戻って来てくれるのを待ちます。
原田:真ん中にいて下さったら、皆がぱーっと行ってもサーッとホームに戻るように帰ってきますから。(笑)
―ミュージカルで板垣恭一さんの演出ですが、そのあたりで楽しみなことは?
辻本:はやく自己紹介の歌を歌いたいですね。どんな楽曲かも、とても楽しみですね。
(「とても素晴らしい楽曲が上ってきている」とスタッフから報告があり)
辻本:おお、楽しみですね。る・ひまわりさんの舞台は稽古場に行くのが楽しみなんです。「こんな本ができあがった」と思ったら、キャストがそこにまた足してくる。一度くずして皆でたて直したりもする。皆のパワーで出来上がる舞台ですね。
原田:板垣さんも音楽担当の伊藤靖浩さんも自分も「邪道好きな王道好き」…グランドミュージカル好きなので、その点が面白いと思います。板垣さんも面白いことも派手なことも大好きなので、スパイスを入れることができると思いますし、僕もスパイスの一員になれるといいなぁと思っています。グランドミュージカルとその真逆の面白さの上手いバランスを描けるといいんじゃないかと。それが他とは違う「る・ひまわりさんの舞台」ですものね?(笑) イケテツさんの脚本と伊藤さんの音楽、そして板垣さんの演出という枠がしっかりしていて、その枠の中で存分にあばれることができると思うので、すごく楽しみです。
木村:僕はる・ひまわりさんの舞台は初めてですし、板垣さんとはお会いしたことはありますが、話もあまりしたことがないので、まだよく分からないのですが…。実は僕はミュージカルをちゃんとやったことがないんです。『花より男子The Musical』に出演しましたが、歌よりも芝居の役でしたから、今回は「僕は場違いじゃないかな?大丈夫かな?」と心配しつつ「板垣さんがどうにかして下さるかな」と思っています。(笑) 皆さんと世界観を共有しながら板垣さんの演出を楽しみにしたいです。板垣さんの演出は、どんな感じですか?
原田:出したものは全部受けてもらって、そこで取捨選択をしてもらう感じです。究極のオラオラ系です。(笑)
辻本:「やれ〜」と言ってやらせて、時には「なんで、それやった?!」ということもある。(笑)
―オラオラ系の演出家さんはいかがですか?
木村:いいと思いますけど…楽しみにしています。(笑)
―もしや、怒号が飛び交う稽古場なんでしょうか?
原田:日によってですね。
辻本:ノリにノッている時はありますね。
原田:(体育会系)部室みたいになりますよ。(笑) それを楽しんでやれるキャストだと思うし、面白がってやればいいと思います。そこで引いてしまうと置いていかれてしまうけれど、食らいついていければ。
―食らいついていけそうですか?
木村:僕は大丈夫だと思います。
原田:ちゃんと導いて下さる方なので。好きです。
―明治座での「る・ひまわりさんの舞台」ということで、今回もお芝居の後にはショーがあると伺ったのですが…?
(製作サイドのスタッフから「『TARO URASHIMA』は新作のオリジナルミュージカルシリーズ第1作なので、る・ひまわり製作の年末恒例の舞台作品同様に〈芝居とショーという2部構成〉となる。だが、いつもとは違う内容でお届けしたいとの説明を聞く。)
辻本:では、毎年楽しみにして下さっているファンの方も、まったく違う楽しさになるってことですね。わぁ~、僕も毎年楽しみにしているんですよ。自分の出演している場面もありますが、他の方が出る部分もすごく楽しくて、稽古場でも「フ~ッ!」って歓声あげっぱなしなんです。
原田:なぜか他の人の歌を覚えてしまいますよね。
辻本:そう!他人の振り付けを先におぼえちゃったりしますね。(笑)
原田:好きなんでしょうねぇ。
辻本:本番でもソデで踊っていますよ。本編で笑って泣けて、最後は「みんなで盛り上がろうぜ~~!」となって。
原田:「イェ~ッ!」ですね。
―では、ショー部分は木村さんにとっては新たなチャレンジになるんでしょうか?
木村:(キャトンとした表情で)まったく何の話をしているのだか、分からない?!(爆笑)
原田、辻本:僕らが初めて「る・ひまわりさんの舞台」に参加した時も同じリアクションでした。(笑)
木村:ショーもあるの?! 俺だけ何にも知らない?!
原田:稽古場を初めて見た時には(呆然とした表情)となるんですよ。
木村:(驚きから覚悟?の表情になって)では新しい扉を開けるつもりで稽古場に行きたいと思います。
―最後に来て下さるお客様にひとこと、お願いします。
辻本:みなさまがよく知っている浦島太郎のお話ではありますが、それは全部とっぱらって頂いて、ミュージカルですので、真っ白な気持ちで楽しんで頂ければと思います。そして僕のダイオウグソクムシの裏側を思う存分、見て下さい!愛して頂けるように頑張ります!
原田:浦島太郎ではなくTARO URASHIMAというところで、本作がシュールに紡がれた作品だと想像して頂けるかなと思います。ご家族で、カップルで、お友達同士でと観て頂ければ。個性豊かなキャストと尊敬する先輩方もいらしゃるので、みなさんから盗みつつ、自分がどう存在したらいいか、作品とのかかわり方を考えながら、丁寧かつ過激に大胆に作っていけたらいいなぁと思っています。
木村:「全部ネタバレしてもいい」とイケテツさんからも言われているんですが、浦島太郎の知っているお話とは違う、もっと掘り下げた脚本です。運の悪い浦島太郎くんなのですが、現代に通じる部分があって、お客様にも共感して頂けるところがいっぱいあると思います。このチラシのようなお話ではありません!(笑) 予想を裏切って裏切って、全部裏切る作品になっています。でも見終わった時には「浦島太郎ってこれなんだな!」ときっと思って帰って頂ける新しい浦島太郎です。「今後何年も明治座でやり続けていく世界に向けた日本発のミュージカルは、この浦島太郎から始まります」ということなので。
原田:(外人口調で)TARO URASHIMA~~!!(爆笑)
木村:裏切られたい方は、是非、楽しみにおいで頂きたいと思います!よろしくお願い致します!!
この取材の後、第二部は「鯛や平目の舞踊ショー」に決定というニュースを聞いた。
明治座といえば、劇場内での買い物や食事も大きなお楽しみ。
今年の夏は明治座という竜宮城で「TARO URASHIMA」と「鯛や平目の舞踊ショー」を見て過ごす…。涼しくて、思いきり楽しい一日になりそうな予感です!
ヘアメイク:藤澤和紀
スタイリスト:吉田ナオキ
◼︎木村了
チェックシャツ ¥22,000・カットソー ¥参考商品/SHELLAC pressroom 03-5724-5687、
ベスト ¥17,000/EGO TRIPPING 03-6434-9929、その他/スタイリスト私物
◼︎原田優一
ジャケット ¥32,000・パンツ ¥22,800/ACANTHUS 058-253-2750、カットソー¥9,000/VADEL(AKM showroom) 03-6721-1065、その他/スタイリスト私物
◼︎辻本祐樹
シャツコート ¥23,000・カットソー ¥9,500/GARROT TOKYO 03-6434-9452、
その他/スタイリスト私物
・SHELLAC pressroom 03-5724-5687
・VADEL(AKM showroom) 03-6721-1065
・ACANTHUS 058-253-2750
・EGO TRIPPING 03-6434-9929
・GARROT TOKYO 03-6434-9452
木村了、原田優一、辻本祐樹 サイン入りチェキプレゼントはこちらから!!
【公演名】TARO URASHIMA
【staff】脚本:池田鉄洋、演出:板垣恭一
【cast】
木村了、上原多香子、斉藤暁、崎本大海
滝口幸広、辻本祐樹、原田優一
土屋シオン、碕理人、森田涼花、竹内寿、中村太郎、月岡弘一、桝井賢斗、香山圭祐、塩川渉、
角島美緒、二瓶拓也、高木稟、大堀こういち
舘形比呂一、坂元健児
和泉元彌(特別出演)/とよた真帆
【公演日程】2016 年8 月11 日(木・祝)~15 日(月) @明治座
【チケット料金】S 席12,000 円/A 席5,800 円(全席指定・税込)
※中学生以下、S 席特別価格6,000 円(税込)(明治座にて電話予約のみ取扱い)
【チケット取扱】
*明治座チケットセンター 03-3666-6666(オペレーター対応・10:00~17:00)
インターネット予約「席とりくん」 https://web.meijiza.com/
*イープラスhttp://eplus.jp/urashima/(PC&携帯)
ファミリーマート店内Fami ポートでも直接購入できます。
*チケットぴあhttp://w.pia.jp/t/taro-urashima/ (PC・MB 共通)
0570-02-9999(P コード:451-052)
チケットぴあ店舗、セブン・イレブン、サークルK・サンクスでも直接購入できます。
*ローソンチケット0570-084-003(L コード:35195)
0570-000-407(オペレーター対応・10:00~20:00)
http://l-tike.com/(PC&携帯)
ローソン・ミニストップ店内Loppi で直接購入頂けます。
【主催】株式会社る・ひまわり/明治座
【問合せ】明治座03-3666-6666(平日10:00~17:00)