麻実れい、田中圭、満島真之介、益岡徹出演の舞台、『夜への長い旅路』が、9月7日に開幕した。
(写真すべて:村尾昌美)
20世紀のアメリカが生んだ偉大な劇作家でありノーベル賞作家でもあるユージン・オニールが、自身の凄まじい家族関係を赤裸々に描き、彼に4度目となるピュリッツアー賞をもたらした戯曲が本作『夜への長い旅路』。
登場人物は、かつてシェイクスピア俳優であったが近年は金のために商業演劇で同じ役ばかりを演じている夫ジェイムズと麻薬中毒の妻メアリー、酒に溺れ自堕落な生活を送る兄ジェイミーと肺結核に冒された弟エドマンドの家族4人のみ。
激しい感情をぶつけ合うも、根底にある深い愛情で結ばれた家族の、ある夏の一日を描いた物語を、麻実れい、田中圭、満島真之介、益岡徹という豪華キャストが演じる。
◆あらすじ◆
タイロン家の別荘の居間、1912年8月のある日。
メアリー(麻実れい)は難産が原因で医者から処方されたモルヒネで中毒になり、幻覚に囚われ始めている。そんな中、タイロン家の家族間の対立や不和が露呈していく―。
商業演劇で同じ役ばかりを演じている夫・ジェイムズ(益岡 徹)との結婚を後悔しているメアリー、過度な倹約家で、土地所有に異常な執着の持ち主であるジェイムズ、互いに不満を抱き、母をめぐり確執が生じているジェイミー(田中圭)とエドマンド(満島真之介)の兄弟。
メアリーが麻薬に手を出してしまった原因は意外な過去にあった。息子の死という辛い過去から逃れることができず、麻薬症状はさらにひどくなり、エドマンドのことすら疎んじ始めるメアリー。
家族がたどり着く長い旅路の果てに何が待っているのか―。
<初日レポート>
いつ果てるともない、壮絶な4人家族のいさかいの記録である。妻メアリー(麻実れい)、長男ジェイミー(田中圭)、次男エドマンド(満島真之介)、夫ジェイムズ(益岡徹)の家族4人が、ののしり、和解し、また傷つけ合う。言葉の応酬だけでなく、役者同士、身体の接触を最大限に使う。熊林弘高の演出にはおなじみの風景だ。鼻が触れ合う距離で怒鳴りあう。つかみ合い、相手をねじふせる。抱擁する。頬に唇を寄せる。舞台のラスト、暗闇に消えていく、妻メアリーの長く哀しいモノローグが語るもの。それは、この家族の絆の本当の崩壊か、それとも、再生の予感か。客席のひとりひとりが、大切な人のことを考えながら帰り道につく、そんな舞台だった。
「夜への長い旅路」
原作 ユージン・オニール
翻訳・台本 木内宏昌
演出 熊林弘高
出演 麻実れい 田中圭 満島真之介 益岡徹
公式サイト http://www.umegei.com/yoru-tabiji/
<東京公演>
日時 2015年9月7日(月)~9月23日(水・祝)
会場 シアタートラム
入 場 料 8,500円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
お問合せ 梅田芸術劇場0570-077-039
※14日(月)14時公演時はアフタートークショーあり
出席者:麻実れい 田中圭 満島真之介 益岡徹
<大阪公演>
日時 2015年 9月26日(土)〜29日(火)
会場 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
入 場 料 8,500円 (全席指定・税込・未就学児童入場不可)
お問合せ 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ 06-6377-3888
※28 日(月)13 時公演時はアフタートークショーあり
出席者:麻実れい 田中圭 満島真之介 益岡徹